Windows風ショートカットキーが使えるLinuxエディタ「micro」の操作ガイド

microは、ターミナル上で動作するテキストエディタです。

ターミナル上で使用するテキストエディタは「ちょっとした設定ファイルを触るときに・・・」といった紹介を受けがちで、がっつり日常的に触る人の話はなかなか聞けないなあという印象です。

私は本ブログの記事の大半を最小構成のDebian機で書いています。最小構成なので、ターミナルしかありません。ターミナルで動作するテキストエディタを極めるしかないのです。

ターミナルで使えるテキストエディタはたくさんありますが、私はmicroを使っています。

私にとってmicroの魅力は、Windows風のショートカットキーが使えることです。会社では、Windows PCしか使えないので、家と会社で変わらない操作感で触れるmicroは非常にありがたい存在です。

この記事では、microの基本的な使い方と、ブログ原稿を書くうえで便利な設定、ショートカットキーを紹介します。

※私の環境(kmscon、uim-fep+mozc)では、日本語入力モードの状態で矢印キーを使うとショートカットキーがうまく反応しませんでした。うまく反応しない場合は、日本語入力をオフにしてみてください。

microのインストール方法と起動方法

私が使用しているDebian 13(trixie)では、公式リポジトリからmicroをインストールできます。

sudo apt update
sudo apt install micro

microだけを起動する場合は、下のコマンドを実行します。

micro

既存のファイルを開く場合は、microの後ろにファイル名を指定します。

micro example.txt

まだ存在しないファイル名を指定して起動することもできます。

micro memo.txt

文章を入力して保存すると、memo.txtというファイルが作成されます。

microの主要なショートカットキー

文字の範囲選択は、Windowsと同じようにShiftを押しながら矢印キーで行えます。

操作 キー
保存 Ctrl+S
終了 Ctrl+Q
検索 Ctrl+F
ファイルを開く Ctrl+O
コピー Ctrl+C
切り取り Ctrl+X
貼り付け Ctrl+V
元に戻す Ctrl+Z
やり直す Ctrl+Y
1行複製 Ctrl+D
1行切り取り Ctrl+K
すべて選択 Ctrl+A
コマンド欄を開く Ctrl+E
ヘルプを開く Ctrl+G または F1
重要キーの一覧を表示・非表示 Alt+G
Ctrl+Eで使用できる「コマンド」とは

microには、ショートカットキーとは別にコマンド入力で対応できる操作があります。 Ctrl+Eを押すと、画面下部にコマンドの入力画面が表示されます。

たとえばコマンドでヘルプを開く場合は、Ctrl+Eを押したあとに「help」と入力してEnterキーを押します。 なお、コマンド欄では Tab を押すと、入力可能なコマンドを補完できます。

便利な設定

以下の3つの設定が便利です。

  • softwrap:画面幅を超えた行を表示上で折り返す
  • savecursor:ファイルを開き直したとき、前回終了時のカーソル位置へ戻る
  • saveundo:ファイルを開き直したあとも、前回終了時点のUndo履歴を利用する

上の設定を有効にするにはCtrl+Eでコマンド欄を呼び出し、以下のコマンドを実行します。

set softwrap true
set savecursor true
set saveundo true

なお、英語の文章を入力するならset wordwrap trueも便利です。可能な限り、単語の切れ目で折り返してくれます。日本語中心の場合は、効果が薄いと思います。

microの入力画面
microで本記事の下書きを書いているところです。このように画面幅を超えたところで折り返してくれると見やすくていいですね。

長い文章を書くときに便利な操作

ブログ原稿のような長い文章を書くときに便利な操作です。

検索する

Ctrl+Fを押して検索文字列を入力し、Enterで確定します。そのあと、以下のキーで一致箇所を移動できます。

次の一致箇所  Ctrl+N
前の一致箇所  Ctrl+P

行の文章を移動する

Alt+↑とAlt+↓で、現在行または選択した行の文章を上下へ動かせます。文章の順番を入れ替えるときに便利です。

別タブで開く

以下のショートカットキーで、タブを使えます。

新しいタブ  Ctrl+T
前のタブ    Alt+,
次のタブ    Alt+.

Ctrl+Tで空のタブを開いたあと、Ctrl+Oでファイルを指定できます。

タブを開いている画面

画面を分割する

タブで入力画面を切り替えることもできますが、ターミナルの横幅に余裕があるなら、横に並べたほうが見やすいです。私は、自作のmicroの操作ガイドを置いたり、ブログ原稿を書く前の操作メモを置いたりしています。

画面を分割するには、Ctrl+Eでコマンド欄を開き、vsplitに続けてファイル名を指定します。

vsplit notes.md

画面が左右に分割され、左側に現在の原稿、右側にnotes.mdが表示されます。編集する画面を切り替えるキーはCtrl+Wです。

上下に並べたい場合は、代わりにhsplitを使います。

hsplit notes.md 
分割している画面

文字の置換

例として、「debian」を「Debian」へすべて置き換える場合は、次のコマンドを入力します。-aは「すべて置換」、-lは「入力した文字をそのまま検索」という意味です。

replace debian Debian -a -l

空白を含む文字列は引用符で囲みます。

replace "Debian13" "Debian 13" -a -l
-lの補足

microでは、検索文字列を標準で「正規表現」として扱っています。正規表現とは、文字の並び方やパターンを指定して検索する方法です。 たとえば、文章に次の年が書かれているとします。

2023年
2024年
2025年
2026年

以下の正規表現は、「4桁の数字のあとに“年”が続く文字」を意味します。

[0-9]{4}年

[0-9]は0から9までの数字の範囲、{4}は数字を4個並べるという指定です。数字を4桁で書いた0000〜9999が該当するため、2023年、2024年、2025年、2026年のすべてが検索で見つかります。

コマンドで-lを付けると[ ]や{ }を正規表現として扱わず、入力したとおりの[0-9]{4}年を探します。通常は文章を置き換える場合、-lを付けておくと良いということになります。

おまけ

行番号の表示の切り替え

Ctrl+Rで、行番号の表示の切り替えができます。

私の環境ではmicroからシステムのクリップボードに直接コピーできないため、microから他アプリにコピペしたいときはbyobuのコピー機能を使って対応しています。byobuでコピーするとき、行番号が表示されていると、行番号も一緒にコピーされてしまいます。複数行コピーするときは、行番号を非表示にすると便利というわけです。

行番号を消して複数行選択している画像

指定した行へ移動

Ctrl+Lで、指定した行に移動できます。grep -nで行番号付きの検索結果を表示したあと、該当行へ移動するときに便利です。

GUI環境でのmicroから他アプリへのコピペ方法

別の端末では、CachyOS+KDE Plasma+Waylandの環境で使用しています。コピペが他アプリ→microはできるのに、micro→他アプリではできませんでした。

調べたところ、Wayland環境でmicroからクリップボードを利用するには、wl-clipboardのインストールが必要のようです。

まず、現在WaylandとX11のどちらを使っているか確認します。

echo $XDG_SESSION_TYPE

Waylandと表示されたら、wl-clipboardをインストールします。

私はCachyOS(Arch系)を使っているので、下のコマンドでインストールしました。

sudo pacman -S wl-clipboard

Debian系なら下のコマンドでインストールできるはずです。

sudo apt install wl-clipboard

インストールが終わったら、microを起動します。 Ctrl + Eを押してコマンド入力欄を開き、下のコマンドを入力します。

set clipboard external

これでmicro→他アプリへのコピペができるようになったはずです。

set clipboard externalを実行すると自動的にmicroの設定ファイルにclipboard externalが反映されるらしいのですが、私の場合なぜか反映しませんでした。

同じ症状の方はmicroの設定ファイルに手動で保存します。microの設定ファイルは、通常下の場所にあります。

micro ~/.config/micro/settings.json

設定ファイルに下の内容を足します。


{
    "clipboard": "external"
}

もしすでに他の設定がある場合は、新しく{}を作るのではなく、既存の{}のなかに足します。またJSONは、複数の設定を行う場合,で区切ります。(最後の設定のみ,が不要。)

たとえばすでにカラースキームの設定があるときは下のように入力します。


{
	"colorscheme": "catppuccin-macchiato",
	"clipboard": "external"
}

以上が、私が日常的に使用しているコマンドやショートカットキーです。英語ですが、Ctrl+Gでヘルプを確認できるので、自分に合う操作を見つけてみてください。


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